top of page

ニューヨーク賃貸法、大幅改正

ニューヨーク州では、2019年6月に賃貸に関する法律が大幅に改正されました。多くの改正点は Rent-stabilized(レント・ステイビライズド)アパートメントという、家賃の上昇が制限された賃貸住宅を対象としていますが、全ての賃貸契約を対象とする改正もあります。

最もインパクトが大きい変更が次のものです。借り手に有利になるよう改正されたものが多い一方、一部の借り手(特に海外からニューヨークに引越して来る、クレジットのない方)には選択肢が少なくなってしまいました。

(1) 敷金の預け入れや家賃の前払いは、合計家賃1か月分までに制限
(注:前払いとは、契約時から2か月目以降の家賃のことです)

従来、米国での年収が審査基準に満たない方や、収入のない学生の方でも、敷金を家賃1か月分より多く支払ったり、家賃を半年から1年分前払いすることで入居できる物件が多数存在しました。クレジットヒストリーがない方にも同様のことが求められる物件もありました。しかし、今回の改正によってそういったことが禁止されました。

高品質でも年収やクレジットの要件が緩い賃貸物件は、存在しますがかなり少数です。また、家賃が安い物件を探せば審査が甘くなるということもありません。


残された方法は、米国在住の保証人を使うか保証会社を使うことですが、前者は日本から渡米される方の殆どには不可能で、後者は審査を通っても費用がかかります。

良い改正点としては、次の3つが挙げられます。

(2) 敷金は退去後14日以内に返還 

従来、敷金の返還には退去から1、2か月かかることが普通でしたが、14日以内にと定められました。

(3) 申込み手数料を20ドルまでに制限

コンドなどでの別の名目の実費は例外ですが、賃貸専用住宅の多くが申込み手数料を$20に引き下げました。
しかし、それにより複数同時の申込みが容易になり、物件探しの競争が熾烈になりました。

 

(4) 途中解約後、家主は次の入居者を探す努力をしなくてはならない。

これまでNY州にはこの規定がなく、途中解約時の高い違約金にもつながっていました。家主の努力は定量化できないものの、違約金についての考え方に影響がありそうです。

bottom of page